「医療脱毛はクーリングオフできない」
そんなことを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
確かに、現状では医療脱毛においては、クーリングオフ制度を使うことができません。ですが、今後医療脱毛もクーリングオフの対象になりそうですよ。
今回は、医療脱毛のクーリングオフについて詳しく解説を行っていきます。
いよいよ医療脱毛もクーリングオフ制度が適用できそうな流れになってきています。ここでは、医療脱毛とクーリングオフの関係について詳しく解説をしていきますね。
医療脱毛もクーリングオフの対象になりました
医療脱毛は、医療機関だから安心…ではありますが、医療脱毛においても、全くトラブルがないといえば嘘になります。事実、国民生活センターの方にも、美容医療に関するトラブルの問題が昨年だけでも2,000件ほど寄せられています。
国民生活センターによると、美容医療に関する相談は昨年約2000件寄せられ、20代が最多。基本的に保険適用外の自由診療で高額になりやすく、「期間限定料金」などと勧誘されて契約し、解約できなくなるトラブルが後を絶たない。
もちろん、これは医療脱毛だけではなく、美容医療全般での相談件数となりますので、医療脱毛だけでしたらもう少し少ないかもしれませんが、このように医療機関で行っている美容医療においても、トラブルによる相談が増えてしまっているんですね。
そのため、政府としても「ルールの見直しを検討しよう!」という流れになってきたというわけです。
そして、2017年6月に、ついに医療脱毛においてもクーリングオフを適用できるように、政府が閣議決定を致しました。
※2017年12月に実際にクーリングオフ対象となりました。
政府は27日、一定期間無条件で契約解除できるクーリングオフの対象に、美容医療を加えることを閣議決定した。
また、今回の決定では、医療脱毛だけではなく、美容医療にあたる次の内容のものがクーリングオフの対象になることが決まりました。
クーリングオフが適用された美容医療
- 医療脱毛
- にきび・シミ・入れ墨などの除去
- シワ・たるみ取り
- 脂肪の溶解
- 歯の漂白
以上の5つが、今回美容医療の中でクーリングオフが適用できるようになるものです。…とはいっても、今すぐに医療脱毛を契約したからと言ってクーリングオフの対象にはなりませんので、その点は十分注意してください。
医療脱毛のクーリングオフはいつから使えるの?
では、いつから医療脱毛のクーリングオフが適用になるのでしょうか?
こちらは、6月に閣議決定された際、いつから適用が開始になるのかも決定されています。
特定商取引法(特商法)に関する政令を改正し、今年12月1日に施行する。
このように、2017年の12月1日より医療脱毛もクーリングオフの対象となり、適用することができるようになりました。
今までは「医療脱毛はクーリングオフができない…」「しかも途中解約制度もない…(一部クリニック)」「その上、料金は高額…」ということで、躊躇してしまっていたかもしれませんが、クーリングオフが適用されることで、「勢いで契約しちゃったけど、お家に帰ってから冷静に考えたら、やっぱり辞めとこう」となったような場合でも安心ですね。
ただし、先程も言ったように、適用になるのは12月1日からです。また、現段階ではこのようになっていますが、変更や先延ばしになる可能性も少なからずあります。もし、不安な方はこのあたりをしっかりと確認してから、契約に望みましょう。
…といっても、「そもそもクーリングオフはどんな時に適用されるの?」ということをしっかり抑えていないと、いざクーリングオフを使おう!と思ったときにも使えませんよね?
そのあたりについて、下記でまとめていきます。
クーリングオフの適用条件は?
「クーリングオフってなんとなくはわかるんだけど、どういった時に使えるの?」 と、イマイチハッキリ内容を理解していない人も多いようです。
しっかりと、適用条件を確認しておかないと、いざクーリングオフしよう!と思った時に使えませんので、ここではどんな時にクーリングオフを適用できるのか、確認をしておきましょう。
医療脱毛において、クーリングオフを適用する条件は主に3つあります。
クーリングオフの適用条件
- 契約から8日以内であること。
- 1ヶ月以上の契約であること。
- 5万円以上の契約であること。
以上の3つの条件を満たしていれば、契約を解除する理由などは一切関係なく、一方的に解約をすることができます。また、クーリングオフ制度で解約をすれば支払った金額は全額返金となりますので、手数料などが引かれることもありません。
特に医療脱毛においては、「1ヶ月以上の契約であること」「5万円以上の契約であること」という条件は、ほとんどの場合クリアしていると思いますので、問題は「契約してから8日以内かどうか」ということですね。
ですから、「お家に帰って冷静に考えたらやっぱり辞めたいかも…」と思ったら、早急に手続きをするようにしましょう。
では、実際にクーリングオフをするとなったら、どのような手続きをしていけばいいのでしょうか。
クーリングオフの方法は?
「よし!やっぱりクーリングオフをしよう!…ってどうやってやればいいの?」と、いざクーリングオフをしようと思った時に、やり方を知らないとすぐに行動ができません。先程言ったように、クーリングオフをするには、決められた期間内に手続きをしないとクーリングオフが適用できませんので、迅速に行動をすることが大切です。
ですから、いざクーリングオフをしようと思った時にやり方を知らないと困ってしまいますので、事前にしっかりと把握をしておきましょう。
まず、クーリングオフをしようと思った時に、はじめに悩むことだと思いますが「契約したクリニックに連絡したほうがいいのかな?」ということですが、原則連絡を入れる必要はありません。…というのも、クーリングオフというのは、消費者を守るための制度でもありますので、連絡をすること無く一方的に進めて良いことになっているからです。
医療クリニックではそのようなことはないと思いますが、万が一悪徳な業者だと連絡を入れたがばっかりに、クーリングオフの妨害や引き止めなどをされてしまうかもしれません。ですから、どうしてもクリニックに伝えたいことなどがない場合は、連絡をする必要はないんですね。また、仮に伝えたい事があったとしても、手続きをしてから連絡を入れたほうが無難です。
では、肝心の手続の方法は?…ということですが、クーリングオフはこうしなければ適用されません!というルールは基本的にありません。ですが、証拠としてしっかりと残しておくために、書面で手続きをしていくのが一般的です。
また、書面を送るまえに、しっかりとコピーをとっておくことと、送る際にも送ったことが証拠として残るように簡易書留や内容証明郵便で送ることが大切です。送った証拠がないと万が一、何かあった時の証明のしようがありませんので、この点はしっかりと覚えておきましょう。
そして、クレジットカードによる支払いをしている場合は、信販会社にも別途書面で通知をする必要があります。
ところで「どんな内容を記載すればいいの?」ということですが、こちらに関しては国民生活センターの公式サイトに詳しく記載されていますので、こちらを確認してみてください。
このように、クーリングオフを適用するには、手続自体は書面で通知するだけですので、そこまで難しい作業ではありません。ただし、しっかりと証拠を残しておくことが大切です。また、何度もお伝えしていますが、期間が定められています。思い立ったらすぐに行動しないと、クーリングオフを適用できませんので、その点は十分気をつけていきましょう。
また、2017年12月1日から医療脱毛でのクーリングオフが施行されることにはなっていますが、心配な方は事前にしっかりと施行されているか、適用できるかどうかを確認をしてから、契約をするようにしてください。
今までは脱毛サロンでしか適用されなかったクーリングオフですが、今後は医療脱毛でも適用されるようになっていきますので、一つ安心材料が増えますね。…とはいえ、クーリングオフをすることが前提ではなく、脱毛サロンにしても医療脱毛にしても、高額な費用がかかることですので、よくよく考えて後悔のないサロン・クリニックを選んでいくようにしていきましょう。
まとめ
今回のまとめ
- 今までは、脱毛においてクーリングオフが適用できたのは脱毛サロン(エステ)のみでした。
- 医療脱毛は”医療行為”であり、医療契約となるため、クーリングオフが使えなかったんですね。
- ですが、医療脱毛においても様々な問題が出てきていることから、ルールの見直しが検討されるようになりました。
- そして、2017年6月に医療脱毛でもクーリングオフを適用するよう閣議決定がされ、いよいよ医療脱毛でもクーリングオフが適用できるようになります。
- 施行されたのは2017年12月1日からです。
- このようなルール改正があったため、現在は医療脱毛でもクーリングオフを使えるようになりました。
- とはいえ、クーリングオフを適用するには条件が定められています。
- 「契約から8日以内であること。」「契約が1ヶ月以上であること。」「5万円以上の契約であること。」
- これらの条件を全て満たしていないと、クーリングオフを適用してもらえませんので、注意してください。
- また、実際に手続きをする場合は、書面で証拠をしっかりと残すようにしておきましょう。万が一何かあった時のことを考え、証拠を残しておくことが大切です。
- 今回のルール変更により、私たち消費者もより安心できますね。